連載・海に浮かぶ風車による日本の新しいエネルギー開発 ― 浮体式洋上風力の「低コスト化」に挑む研究プロジェクト ― | 秋田県南部沖浮体式洋上風力実証事業

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お知らせ
2026.09.15
研究テーマ紹介

連載・海に浮かぶ風車による日本の新しいエネルギー開発 ― 浮体式洋上風力の「低コスト化」に挑む研究プロジェクト ―

本事業で実施している研究内容をそれぞれ紹介していく予定です。

ここでは、各研究内容の紹介に先立って秋田県南部沖浮体式実証事業の全体像をお伝えします。

 

海の上に浮かぶ巨大な風車により発電する。

「浮体式洋上風力発電」は、日本の再生可能エネルギーの可能性を大きく広げます。

しかし、風車を海に浮かべるためには、多くの課題があります。

巨大な風車を搭載した浮体式の風力発電施設をどうやって大量につくるのか。

沖合までどう運ぶのか。

深い海でどうやって係留するのか。

完成した浮体式の風力発電施設をどうやって点検・保守するのか。

そして、どうすれば安全性を確保しながら、発電コストを下げられるのか。

そこには、設計、製造、建設、造船、電力、保守、環境など、さまざまな分野の技術が関わっています。

この事業は、そうした技術を一つひとつ個別に考えるのではなく、浮体式洋上風力発電を一つの大きなシステムとして統合的に捉え、全体を最適化することに挑戦しています。

秋田県南部沖、水深約400mの海へ

実証の舞台となるのは、秋田県南部沖です。

計画されている海域の水深は約400m。

ここに12~15MW級の大型風車を2基設置することを想定しています。

事業期間は2024年8月から2031年3月までで、2029年10月からの実証運転開始を予定しています。

図1 実証事業の概要

目指しているのは「システム全体」の進化

浮体式洋上風力発電には、さまざまな技術が必要です。

例えば、

風車を支える浮体(浮体構造物のことを指しています)の設計・建造技術。

浮体を海底につなぐ係留システム技術。

設計、製造、建設、造船、電力、保守、環境を含めると、非常に多くの企業と技術が関わります。

そこで本事業では、研究を大きく、

「事業開発」

「EPCI」

「O&M」

という3つの領域に分けています。

EPCIとは、設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)・据付(Installation)など、発電所を実際につくり上げていく領域です。

O&Mとは、Operation & Maintenanceの略で、完成した設備を安全に運転し、点検・保守していく領域です。

つまり、

「どう事業として成立させるか」

を一体として研究しているのです。

9社の専門家が、一つのチームに

浮体式洋上風力発電を国際競争力のあるコスト水準で商用化するためには、事業開発から設計・建設、運転・保守まで、幅広い専門技術が必要です。

このため本事業には、総合商社、電力会社、事業運営会社、船舶・建設会社、繊維ロープ製造会社、航空事業会社など、9社からなるコンソーシアムが参加しています。

それぞれの専門技術を持ち寄り、事業開発、EPCI、O&Mの各領域が連携しながら、技術開発を一体的に進めています。

 

図2 研究開発テーマ全体像

海の未来を変える、一つひとつの研究

研究テーマはさまざまですが、目指す方向は一つです。

この「研究テーマ紹介」シリーズでは、秋田県南部沖の実証事業の研究を、一つずつ分かりやすくご紹介していきます。